2025.01.31
INFO
イ・ソム俳優のインタビュー時、イ・ソム俳優出演作品の中で「第3の魅力~終わらない恋の始まり~」が大好きだと伝えたら、とてもびっくりした表情で、“私もです”と言っていました。
僕も大好きな作品です。彼女はとても演技が上手で考え方も似ていたため、お互いによく合いました。
よく合うというのはどこで感じましたか?
演技の価値観が似ていました。彼女も内面に集中して、嘘をつけない性格です。僕たちが少しぎこちなく見えても嘘がない演技をしよう、僕が感じること、演じる人物が感じること、僕と君が今感じていることに集中してみよう。そういう考えがよく合いました。もし彼女が結果に執着して正直さを裏切る演技をしていたら、息を合わせることが難しかったでしょう
相手俳優と演じる人物について話し合うことはありますか?
このシーンで人物はどんな気持ちなのかについて、相手俳優とよく話し合います。そうすると、相手俳優の演技に対する勉強の仕方や、どのようにこの道を歩んできたのかが知れます。その歩み方が彼女と僕は似ていました。
結果よりは過程が重要だと考える方ですよね?
そうですね。しかし、それはギャンブルに近いです。結果がどのように出るかは、分かりませんが今この瞬間、人物の心を率直に表現したいという気持ちがありました。作品ごとに演技の仕方が違うので、すべての作品にそうすることはできません。ロマンスは感情が重要で率直な表現が有利ですが、今撮影中の「アンダーカバーハイスクール(原題)」のような作品はある程度計算も必要で、全体をよく見なければなりません。
作品ごとに臨む姿勢が違うと、より多様な演技をしてみたいと思いますか?それとも一人に集中したいですか?
ジャンルは大きく選びません。僕にとって優先順位は“心”だと思います。ロマンスでも犯罪でも何でもいいですが、一つだけとても重要です。それは演じる人物が“人”かどうか。
“こんな生い立ちがあって、こんな傷を負っていて、このような人物になりました”と数学的にきっちりと説明がつく人物ではなく、“この人はちゃんと人だ”と感じられる役があります。そう感じたら、僕はやります。 すると、大体その作品にハマります。少し誇張して言えば、そのような人物は僕にとって勉強する価値のある人に感じられます。僕が無限に発展させることができるし、どこか本当に存在しそうな人物にさせられる。
もしかしてソ・ガンジュン自らがそのような人物だからでしょうか?
そうです。普通“どんな性格ですか?”と聞かれれば“私はこういう人間で、こういう性格です”と答えるじゃないですか。でも人間はそんなに単純ではありません。裏面に醜さもあり、陰険さもあり、非常に多くのものがあります。
表面的に人とかかわった時の様子や、状況にあわせて反応をする程度で性格を表します。僕は演じる役をそのような人物にしたくありません。僕が人と向き合う時も同じです。 自分にいくら善良で暖かくてクリーンな姿を見せても、その人の中に隠れた陰険な姿、怪異な姿、ものすごい姿があると思うと、僕はそんな一面が見たいです。キャラクターの単純な情報ではなく、この人が一人でいる時に何を考えているのか、思想がどうなのか、世の中を眺める視角や理念はどうなのかを重要に考えます。それが人を作ってくれるものだと信じています。
ソ・ガンジュンはなぜその理解できない部分にもっと入り込みたいのでしょうか?
理由は二つありますが、一つ目は推測です。演技が上手で、僕が羨望する俳優たちの演技を一つ一つ見てみると、単純に演じる人物の勉強をたくさんしたわけではなく、本当に存在するかのような人物を作り出します。その作品が終わった後もどこかで暮らしていそうな。そんな俳優たちがどんな道を歩んできたのかがとても気になりました。
二つ目は、僕が人と世の中を眺める時の視角が、演技をする時もそのまま投影されるようです。僕は人を見る時も、世の中を見る時も裏にあるものがたくさん見えます。そういうのをもっと見たがります。 だからといって、僕が裏面を見て悲観的で落ち込んでいるのではなく、ただ受け入れます。“ああ、世の中ってもともとこうなのか、こんなに矛盾しているのか。いい人といい事も多いけど、ゴミみたいな事とゴミみたいな人間も多いのか。こういうのが調和してできているのか世の中”
最優先順位と言った“心”のままに生きていますか?
あるラインの中ではですね。 ライン外まで心がいってしまうと、めちゃくちゃになってしまうから(笑)法と倫理が許容する枠の中では、自分の思い通りに生きています。
枠の中で最大限心の向くままに生きるためには、どんな人生の態度が必要ですか?
このような話をよく聞きます。“これがしたいけど、誰かに迷惑をかけるだろうか?”
僕は自分がやりたいこと、やりたくないことが何なのかよく分かっています。 何かしたいと思ったら、なんでこれがやりたいのだろう? 何かをしたくない気持ちになると、なぜこれをしたくないのかたくさん悩みます。 そうしているうちに、自分が何をしたい人なのかを分かってくるようです。作品を選ぶ時もそうです。やりたい作品、やりたくない作品について考えて、“それなら自分が何のために俳優をしているのか”も問い詰めるようになり、だから俳優生活をしているのか、だから僕はこの作品を選んだのかという考えに到達するようになります。
“なぜ俳優をするのか”という質問に対する答えは見つけましたか?
なぜするのかという質問には正直、大きな理由はありません。ただ、面白いからやっていて。 何て言うか···。僕が羨望していた俳優たちの素晴らしい演技を見てしまった以上、そこまでいかなければならないという不思議な信念のようなものがあります。そこまでたどり着けない間は、ずっとストレスを受けながらやりそうです。この仕事をしている間に恥ずかしくない理由が見つけられたらいいです。また僕が臨む作品が、僕の演技が何かを語ってくれれば。
"何かを語る"
“皆さん、この作品で僕はこんなことを伝えたいです。僕という人物を通じて、この作品を通じて、この人たちとの関係を通じて、このシーンを通じて、笑いを通じて、涙を通じて、僕たちはこんなことを伝えたいです。興味はないかもしれませんが、興味のある方はご覧ください" そんなことが言えたらいいですね。
その伝えたいこととは、一緒に作品を作る人たちと同じメッセージですか?
違う時もあります。 だからといって、僕が最初からないものを作ることはありません。僕は作品を作る上で“目的”があることが一番重要だと思います。人が最後まで駆けつけるためには目的がなければならない。その目的が何かについてたくさん悩みます。目的がなくても作品を作る過程で、目的を見出す時があります。そうすると大きな力が生まれます。僕の行動と演技に確信がつきます。他の人は役に立たないと思う部分かもしれませんが、僕にはそれがとても重要です。作中で泣いて、笑って、走っていく力が生まれ、止まってはいられない理由ができるのです。
途中で目的を見出すのは、自分の努力次第でしたか?
努力をしてこそできます。しなくてもできる作品は本当に良い作品です。最後まで目的を見つけられなかった作品もあります。
目的を探すためにソ・ガンジュンはどんな努力をしますか?
悩みます。この人の行跡を振り返りながら、なぜその道を歩いたのかを考えます。答えが出なければ見送って、また撮影を続けながらまた振り返って···。 そうすると、だんだんその道が見えてきます。または人物の目的ではなく、作品の目的である場合もあります。この人はただいるようにみえるけど、作品全体から見るとこういう意味だったのかという。 抽象的すぎるかな?
それでは、ソ・ガンジュンの人生の目的は何でしょうか?
人生を貫く全体の目的はありません。 見つかりませんでした。 探そうとしてみましたが、見つかりませんでした。
“目的があってこそ、力が生まれる”というので聞いてみました。
短い目的を一つだけもって生きているようです。今しなければならない作品、愛する人々、目の前にある目的です。“どんな俳優になりたいですか?”、“どんな作品がしたいですか?”と聞かれたら僕はありません。 僕が羨望した俳優たちのように演技が上手になりたいとは思いますが、誰かのようになりたくはありません。僕は自分の目の前にある作品、今撮影中の「アンダーカバーハイスクール(原題)」これが全てです。終わるとその目的は消え、また次の作品が来るでしょう。 それが僕の目的です。
以前、歳を取っても変わらないことは“意地と決断”であってほしいと言っていました。今も変わらないですか?
(長い考え)変わらないです。
なぜすぐに答えられなかったのですか?
あまりにも明確な短所がありますから。でも、意地と決断を守ることはとても重要だと思います。意地と決断力があるということは、僕には確固たる考えがあるということです。 確固たる考えがあるということは多くの悩みをしたという傍証であり、たくさん悩んだ結論の末に下した確信です。僕の人生でそれが大きすぎます。
自らを大切にする方法でもありますね。
そうですね。 自分を大切にする方法であると同時に、僕が俳優生活をする理由でもあり、原動力でもあります。なぜなら、とてもたくさん悩んだ末に下した確信が意地になったからです。 僕のルーツでもあります。とても重要なポイントです。
さっき言った“意地と決断”の“明確な短所”とは何でしょうか?
人の言うことを聞かないこと。あははっ。でも根拠のない“意地”には気をつけようと思います。
ソ・ガンジュンが愛する人を大切に接する方法は?
適当な距離を置きます。あまり近くなりすぎないようにします。
適当な距離感の基準は?
僕の周りの家族、高校の友達、会社の人たち、会社の代表···。 僕のすべてを見てくれる人たち。でも彼らの中で誰一人あるラインを越えてきた人はいません。僕はこの適当な距離感を守ります。
距離感が重要だと思う理由は?
うーん···。 生まれつきなのかわかりませんが、決まっている枠の中に入ってくる人がいれば出て行けと足で蹴ります。僕も誰かの中まで入ったことがないと思います。
誰かと近づきたい時は、どんな質問をしますか?
質問はたくさんする方ですが、そもそも近づきたいと思いません。親しくて大切な人たちはもう近い状態で、それ以外は近づきたいとは思いません。今のままがいい感じ? たまに会いながら、適度な距離感を保ちながら暮らしたいです。
猫たちにとってどんな飼い主ですか?
可愛がりますが、各自の人生が重要なので。君たちも君たちの人生を生きて、僕も僕の人生を生きて、君たちがこっちに来たいときに可愛がってあげる。来たくなければ来なくてもいいよ。ご飯、トイレ、水など必ず必要なものはちゃんと用意します。
オキ、ドキ、キキ、三匹の飼い主ですよね?
(しばらくの沈黙)オキは去年の11月に天国へ行きました。どこかでこの話を一度しなければならないと思っていたのですが、この話を載せていただけますか?まだファンの方たちは、オキが天国へ去ったことを知らないので。まだ8歳でしたし、明確な理由がありませんでした。病院では、“原因は分からないがこのまま弱っていくだろう。心の準備をしてください”と言われました。2~3週間くらい家で延命療養をしていたら、ある日いきなり立ち上がって歩いていました。僕に愛嬌を振りまきながら鳴いていました。もしかしたら治ったのかもしれないと思っていたら、次の日の朝には苦しそうに鳴いていました。その時感じました。今日かもしれないと。昨日最後に力を出してくれたのか。その日、僕は撮影があって最後を見届けられませんでした。撮影が終わりすぐ帰ったら、もう冷たくなっていました。生きている間にたくさん頑張ってくれたから、あまり辛くはありませんでした。当然悲しいですが、悲しみだけが残りました。この子が僕の心から離れていけたら、これからは新しい人生で元気に生きてくれたらいいなという気持ちで過ごしました。ただ元気でいてほしい、会いたい。そんな気持ちです。
オキと会ったらどんな話がしたいですか?
話をしても聞き取れないからなぁ。えへへ。僕にあまりにもたくさん抱かれていた子なので、そのまま抱いていたいです。どうやって出会ったのか? ただ惹かれました、最初から。 ドキ、キキとは違って、目にたくさんのものが詰まっていました。言いたいことも多いようだったし、その言葉が何なのかは分からないけど···。それで、オキの目をじっと眺めるのが大好きでした。目で言うことをたくさん聞いてくれて、とても可愛がっていました。また会えたら、抱きしめたい。1分だけでいいから。
写真提供:GQKOREA
出処:https://www.gqkorea.co.kr/?p=313549